請求書買取サービスは請求書(売掛債権)を売却することが資金調達する方法です。個人事業主やフリーランスの中には、急な出費で早期に現金が必要・ビジネスチャンス逃したくないため即日で資金調達をしたい方もいるのではないでしょうか。
そんな方におすすめなのが個人事業主やフリーランス向け請求書買取サービスです。近年はオンラインで面談不要・AIが審査を行うことで、即日入金が可能な請求書買取サービスも存在ます。
今回は請求書買取サービスのメリットやデメリット・個人事業主やフリーランスの選び方について解説しながら、おすすめのサービスを紹介していきます。
個人事業主やフリーランスおすすめ請求書買取サービスとは?
請求書買取サービスとは別名ファクタリングとも呼ばれており、入金前の請求書(売掛債権)をファクタリング会社に売却することで現金化する資金調達の方法です。
融資による資金調達との大きな違いは最短即日で現金化ができる点です。融資の場合は決算書や事業計画書の提出を行い、審査に短くとも1ヶ月程度はかかります。
近年ではAIファクタリングや完全オンラインファクタリングも登場しており、最短即日で請求書買取・現金化ができるサービスも登場しています。
請求書買取サービスの仕組み|2社間・3社間請求書買取の違い
請求書買取サービスには大きく2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの2つ種類が存在し、主な違いや特徴は下記のようになります。
契約形態 | 2社間ファクタリング | 3社間ファクタリング |
売掛先の通知・承諾 | なし | あり |
債権譲渡登記 | あり | なし |
手数料 | 4〜18% | 1〜9% |
現金化までのスピード | 早い:最短即日 | 遅い:10〜15日前後 |
2社間の請求書買取サービスは売掛先に利用がバレない・スピーディーに現金化できる
2社間の請求書買取サービスはファクタリング会社と利用者の間で完結する仕組みで、売掛債権の売却を取引先に通知・承諾を行いません。そのため取引先にバレずに利用ができ、現金化もスピーディーで最短即日で現金化できるのが特徴です。
2社間による請求書買取サービスは回収した売掛金を、利用者がファクタリング会社に支払いを行います。
2社間ファクタリング・請求書買取の詳細はこちらの記事で解説しています。
3社間の請求書買取サービスは債券譲渡通知・承諾を行う・手数料が安い
3社間の請求書買取サービスは利用者・請求書買取会社・売掛先の3社間で取引が行われ、債権譲渡通知・承諾を行います。そのため売掛先にファクタリング利用がバレることなります。また売掛先に債券譲渡通知・承諾を行うため、即日現金化はできません。
3社間の請求書買取の場合は売掛先に債権譲渡通知・承諾を得るため、架空請求や二重譲渡のリスクが減少します。また売掛金の入金も、売掛金企業から直接ファクタリング会社に入金されるため、別用途に資金を悪用することで支払いが遅れるリスクも少ないです。
上記のような観点から3社間取引は手数料が低く設定されているのがメリットです。ただし売掛金に合意を得て契約締結を行うため、売掛先にバレる・資金調達までに時間がかかるのがデメリットです。
3社間ファクタリング・請求書買取の詳細・2社間・3社間ファクタリングの違いやメリットの詳細はそれぞれの記事で解説しています。
請求書買取サービス利用・審査の流れ
請求書買取サービスの流れは下記のようになります。注意点としては請求書買取サービスでは必ず審査が発生し、必ず買い取ってもらえるわけではないという点です。
詳細についてはファクタリングの審査基準や落ちる理由・ファクタリング審査に通らない12の原因と対策の記事で解説しています。主な請求書買取サービス利用の流れは下記のようになります。
- 依頼企業が取引先に売上代金を請求(請求書発行)
- 請求書買取会社へ売掛債権を売却依頼
- 買取業者側で売掛先・売掛債権の審査
- 依頼企業へ手数料を差し引いた金額で買取金額の入金
- 取引先から期日通りに1で発行した請求額の入金
- 受け取った売掛金を請求書買取会社へ入金
請求書買取サービスでは手数料を支払うことで、入金前の請求書を買い取ってもらう仕組みです。取引先から売掛金が入金されたら、買取業者に速やかに支払いを行います。
また審査依頼をする場合は請求書・通帳コピー・本人確認証に加えて、決算書や確定申告書・基本契約書・印鑑証明・登記簿謄本などが必要となる場合があります。
急ぎで請求書買取審査・即日入金して欲しい場合は、必要書類の少ないファクタリング会社を選ぶようにしましょう。また個人事業主おすすめファクタリング審査が甘い・緩い業者はこちらの記事で紹介しています。
個人事業主やフリーランスおすすめ請求書買取サービス10選!【即日入金対応】
個人事業主やフリーランスにおすすめの審査が甘い・緩い請求書買取サービスは、審査通過率が高く提出書類が少なめです。下記の会社は審査通過率が90%以上もしくは提出書類が請求書・本人確認証・通帳コピーの3点で利用ができます。
アクセルファクター 審査通過率93%/5割が即日入金/手数料2%〜/継続利用で手数料減額
アクセルファクターは大手企業のグループ会社が運営しており、手数料も2%から利用ができるオンライン完結請求書買取の会社です。審査通過率は93%と高い数値を誇っており、赤字・滞納企業の売掛債権にも対応しており柔軟性が高いのが特徴です。
他社で審査に落ちた場合でも大手企業のグループ会社が運営していることもあり、リスクの高い債権でも買い取り対応を行なっています。申込者の50%以上が即日入金を実現しており、個人事業主の方でも利用が可能です。
また継続利用で手数料も減額されるため他社利用中で請求書買取会社の乗り換えにはおすすめです。
年間相談件数も1.5万件・専属担当の手厚いサポートがついているため、はじめて請求書買取サービスを利用する方でも安心して利用ができます。
取引形態 | 手数料 | 最短入金 | 買取可能額 | 提出書類 |
2者間ファクタリング | 2%〜 | 即日 | 30万円~1億円 | 請求書又は見積書/預金通帳 決算報告書/代表者の身分証明書 代表者及び会社の実印 |
MSFJ 個人事業主特化/最短60分入金/審査通過率90%のオンラインファクタリング
MSFJはファクタリング手数料が3.8%〜から利用が可能で、手数料以外の費用は発生せず、乗り換えで手数料を50%割引を行っている好条件のオンライン完結請求書買取サービスです。
非対面型のオンラインファクタリングのためスピード審査・スピード契約が可能で、最短60分で即日資金調達ができます。また審査通過率は90%以上と非常に高く、個人事業主やフリーランスの方にも対応しています。
また提出書類も少なめで身分証明書・請求書・通帳コピーの3つで利用ができ、10万円からの少額ファクタリングにも対応しています。
取引形態 | 手数料 | 最短入金 | 買取可能額 | 提出書類 |
2社間ファクタリング 3社間ファクタリング | 3.8〜9.8% | 最短60分 | 10〜5,000万円 | 身分証明書/確定申告書※個人 通帳履歴のコピー(3〜6ヶ月程度) 売掛金を証明する書類 |
アクティブサポート 個人OK/少額の300万円まで即日入金/手数料2%〜/審査通過率90%
アクティブサポートは年間支援実績が1,000件、審査通過率は90%を誇る即日入金に対応している請求書買取会社です。提出書類も少なめで通用コピー・請求書の2つで利用できます。
契約方式も面談契約・出張契約・郵送契約(即日は不可)の3つから選ぶことができ、印紙代や交通費など手数料以外の費用は不要です。また通帳のコピーと請求書の2点で最大300万円まで即日入金に対応しています。
個人事業主の利用も可能で30万円からの少額債権買取対応・最短30分で無料見積もりを行なっているため、資金繰りに困っている方はぜひ無料見積もりをしてみましょう。
取引形態 | 手数料 | 最短入金 | 買取可能額 | 提出書類 |
2者間ファクタリング 3者間ファクタリング | 2%〜 | 即日 | 即日300万円まで 30〜1,000万円 | 通帳のコピー 売却する請求書 |
個人事業主やフリーランスの請求書買取サービスの選び方・6つのポイント
個人事業主やフリーランスの方が請求書買取サービスを選ぶ際のポイントは下記の6つです。
- 即日入金に対応しているか
- 審査通過率は高いか
- 最低買取金額を確認する
- 個人事業主やフリーランスに対応しているか・債権譲渡登記の有無
- 費用を抑えるなら完全オンラインファクタリングを選ぶ
- 取引先にバレたくない場合は2社間を選ぶ
(1)即日入金に対応しているか
請求書買取サービスを検討している個人事業主やフリーランスの方の中には、急ぎで資金調達・現金化をしたいという方もいるでしょう。その際は即日入金に対応しているかを確認しておきましょう。即日入金に対応しているファクタリング会社は多くあります。
特に最近登場しているAIで審査を行うAIファクタリングの場合は、最短10〜60分で即日入金と非常にスピーディーに現金化ができます。こうしたAIファクタリングは店舗を持たず家賃や光熱費などが少ないため、1万円からなど少額債権にも対応しています。
またAIが審査を行い審査結果がでるのも早いく、面談も不要なため即日入金を希望する方はAIファクタリングがおすすめです。
即日入金におすすめの業者は土日対応24時間即時入金ファクタリング会社はこちらの記事で紹介しています。
(2)審査通過率は高いか
また個人事業主やフリーランスの方が請求書買取サービスを選ぶ際におすすめなのが、審査通過率の高い業者を選ぶことです。買取業者の中には審査通過率を公開している場合もあります。
- QuQuMo(ククモ):審査通過率98%
- ビートレーディング:審査通過率98%
- 日本中小企業金融サポート機構:審査通過率95%
- アクセルファクター:審査通過率93%
- ベストファクター:審査通過率92%
- アクティブサポート:審査通過率90%
事前に審査通過率がわかっている請求書買取サービスの方が安心して利用が出来るでしょう。また急遽資金が必要という場合に、通過率が高い方が現金化できる確率が高くなります。
(3)最低買取金額を確認する
また請求書買取サービスによって買取限度額は異なります。個人事業主やフリーランスの場合は売掛金が小さな、少額ファクタリングを行うことが多いでしょう。そのため最低買取金額が小さい・下限の制限がない業者を選ぶようにしましょう。
- QuQuMo(ククモ):買取下限の制限なし
- ビートレーディング:買取下限の制限なし
- 日本中小企業金融サポート機構:買取下限の制限なし
- ペイトナーファクタリング:1万円から買取可能
- labol(ラボル):1万円から買取可能
AIファクタリングの場合は実店舗を持たず審査もAIが簡略化しているため、無駄なコストが発生しないため本来は嫌がられる少額の請求書買取も得意としていることが多いです。また審査スピードも早く最短10〜60分で即日入金・個人事業主にも対応しています。
(4)個人事業主やフリーランスに対応しているか・債権譲渡登記の有無
また請求書買取サービスは法人向けをメインにしている場合もあるため、個人事業主やフリーランスを対象しているかも確認するようにしましょう。
即日現金化・資金調達をしたい場合は2社間の請求書買取サービスの利用が一般的す。しかし2社間の場合は売掛債権の二重譲渡リスクを防止するために、債権譲渡登記ありの契約締結を求められるケースがあります。
債権譲渡登記とは保有している資産が譲渡されたことを公示する登記制度です。3社間請求書買取サービスの場合は売掛先から合意を得ることで、この要件を満たすことができます。
しかし債権譲渡登記は法人企業に限定されるため、個人事業主は実質的に審査申込ができなくなります。
そのため債権譲渡登記ありのファクタリング会社は実質的には個人事業主はお断りで、法人企業をメインに取引を行っています。個人事業主やフリーランスの方は債権譲渡登記がなしの請求書買取サービスを選びましょう。
(5)費用を抑えるなら完全オンラインファクタリングを選ぶ
個人事業主やフリーランスの方が請求書買取サービスを選ぶ際のポイントは、完全オンラインファクタリングを利用することです。一般的な来店型の請求書買取サービスの場合は、来店や面談を行い契約書は郵送で手続きを行います。
しかし来店型のサービスを利用すると来店する移動時間やコスト・郵送手続きの費用が発生します。完全オンラインファクタリング・AIファクタリングであれば、面談不要で契約書も電子契約でクラウド契約のため、来店や郵送不要でWeb上で非対面で契約が完結します。
また費用を抑えたい場合にもオンラインファクタリングの方がおすすめで、店舗を持たないため家賃や店舗管理費・人件費が最小限のため、手数料が安く抑えられています。
- 完全オンラインファクタリング:手数料相場は3〜8%
- 2社間ファクタリング:手数料相場は10〜20%
- 3社間ファクタリング:手数料相場は2〜10%
来店や面談を希望しない場合は完全オンラインファクタリングの方が、時間やコスト・手数料も抑えられるのでおすすめです。
ファクタリングの手数料相場や費用内訳・安くするコツ・2社間と3社間ファクタリングの違いはそれぞれの記事で解説しています。
(6)取引先にバレたくない場合は2社間を選ぶ
また請求書買取サービスの利用を検討している個人事業主やフリーランスの方は、資金繰りに何かしらの課題があって利用をするはずでしょう。取引先に知られてしまうと経営が悪化しているのでは?取引を停止した方が良いのでは?といったように、不安を与える可能性もあります。
そのため取引先に請求書買取サービスの利用を知られたくない場合は、2社間で行う買取サービスを利用しましょう。2社間の場合は取引先に債権譲渡通知を行わないので、知られることはありません。
個人事業主やフリーランスが請求書買取サービスを利用する5つのメリット
個人事業主やフリーランスが請求書買取サービスを利用するメリットは下記の5つです。
- 最短即日入金で資金繰り改善できる
- 担保・保証人も不要で償還請求権もない
- 負債にならなず企業評価を下げない
- 売掛金の貸し倒れリスクが軽減できる
- 赤字経営・債務超過など融資が難しい方でも利用可能
(1)最短即日入金で資金繰り改善できる
個人事業主やフリーランスが請求書買取サービスを利用するメリットは融資とは異なり、最短即日で現金化・資金調達ができるという点です。融資の場合は決算書や事業計画書の提出・融資審査で1ヶ月ほどかかりますが、請求書買取サービスは売掛債権の売却のためスピーディーです。
面談不要・来店不要の完全オンラインファクタリングや、AIで審査を行うAIファクタリングであれば、最短10〜60分など即日で現金化ができます。
急遽現金が必要になった・緊急性の高い出費が発生した場合にも、午前中に申し込み・審査が終われば最短即日で入金されるファクタリング会社も多くあります。
(2)担保・保証人も不要で償還請求権もない
また請求書買取サービスは金融機関から融資を行うわけでなく、あくまでも請求書(売掛金)を買い取るだけのため、保証人や担保も不要で利用がきます。また下記で詳細を解説しますが、償還請求権も発生しないのが一般的です。
仮に取引先の経営状態が悪化して倒産になったとしても、利用者は返済する義務は発生しません。
しかし償還請求権が発生するという場合には注意が必要です。償還請求権は請求書の買取ではなく融資などの貸金業に該当します。こうした悪質なヤミ金業者も登場していてるため、下記のようなケースに該当する場合は利用を避けましょう。
- 審査なしを謳っている
- 償還請求権ありの契約を締結する
- 手数料が20%以上など相場より高い
- 保証人や担保を要求してくる
こうした会社はファクタリングと称したヤミ金業者である可能性が高いです。詳細については審査なしファクタリングはリスク大!・審査なしのファクタリングは可能?審査の重要性や審査落ち対策の記事で解説しています。
ヤミ金業者については金融庁からも注意喚起が出ているため、違法業者の利用は注意しましょう。
(3)負債にならなず企業評価を下げない
また請求書買取サービスで調達した資金は、バランスシート上では負債にはならないというのもメリットです。事業の運転資金が必要な場合に銀行などから借入を行うと、負債を増やすことになり企業評価を下げてしまうことになります。
しかし請求書買取サービスは負債扱いにはならないため、企業評価を下げずに資金調達が可能です。貸借対照表の印象を下げる心配がないため、請求書買取による資金調達後に銀行融資を検討している個人事業主の方でも、融資審査で不利になることはないでしょう。
事業運営においては決算書の貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)の見た目が重要で、会計書類に記載される数字が銀行融資の審査に大きく影響してきます。
貸借対照表とは資産や負債を示し、損益計算書は会計年度内でかかった費用や利益などをあらわしますが、銀行融資の企業評価はこの2つの書類で判断されるのが一般的です。
上記の2つの数値を重視する理由は、融資を実行後に建設会社が倒産すれば貸し倒れとなり利息として見込んでいた利益も銀行としてはあげることができないためです。
そのため決算書に記載されている負債(借入金)や、売上高と利益によっては、審査が通らず融資を受けらえない可能性があります。しかし請求書買取サービスなら借金を増やさないので、決算書を汚すことなく利用ができます。
借入ではなく請求書買取サービスで資金調達を行う方が、負債比率を下げることができます。
(4)売掛金の貸し倒れリスクが軽減できる
個人事業主やフリーランスが請求書買取サービスを利用するメリットは、取引先の経営が悪化した・倒産したという場合でも貸し倒れを防止できる点です。フリーランスとして働いていると取引から支払いがないといったトラブルもあるでしょう。
しかし請求書買取契約は償還請求権なしの契約が一般的です。償還請求権とは債務の責任範囲を限定せず、金銭債権などを全額請求できる権利のことです。そのため通常の請求書買取業者では売掛先が仮に倒産しても、利用者が責任を負うことはありません。
請求書買取サービスでは返済を行う義務が生じないため、請求書の買取を行なってもらいファクタリング会社から請求書分の金額を受け取れば、貸し倒れで損をすることはありません。
(5)赤字経営・債務超過など融資が難しい方でも利用可能
また個人事業主・フリーランス向けの請求書買取サービスは自社が赤字経営や債務超過の状態でも利用ができるのがメリットです。請求書買取の審査で重視されるのは売掛先の信用力であり、支払いがしっかりと行われるかという観点です。
融資やビジネスローンの場合は利用者の経営状況が審査されますが、請求書買取サービスでは利用者の経営状況はあまり重要ではありません。ファクタリングビジネスでは売掛金が回収されるかどうか、支払いが遅れないかという部分が重要なためです。
審査基準の詳細はファクタリングの審査基準や落ちる理由・ファクタリング審査に通らない12の原因と理由の記事で解説しています。
そのため借入がある・赤字経営であったとしても請求書買取サービスは利用できます。赤字経営でも利用した事例はこちらで紹介しています。
個人事業主やフリーランスが請求書買取サービスを利用する4つのデメリット
個人事業主やフリーランスが請求書買取サービスを利用するデメリットは下記の4つです。
- 融資による資金調達よりも手数料が高い
- 請求書の額面範囲内でしか資金調達はできない
- 利用頻度が高いと手数料がキャッシュフローを圧迫
- 悪徳なヤミ金業者も存在するため注意が必要
(1)融資による資金調達よりも手数料が高い
個人事業主やフリーランスで最も多く利用される融資は日本政策金融公庫です。公庫からの借入金利は年利で1〜3%ですが、請求書買取サービスの手数料は高く1%〜20%前後となっています。
これは請求書買取サービス業者が貸し倒れのリスクをとっている構造のため、手数料が高く設定されているのです。
(2)請求書の額面範囲内でしか資金調達はできない
請求書買取サービスはあくまでも請求書(売掛債権)の売却を行うことで、資金調達を行う方法のため、請求書金額の範囲内でしか調達を行うことはできません。
少額取引が多い個人事業主やフリーランスの場合は、売掛金の金額自体が小さいこともあるでしょう。そのため大きな金額必要である場合は、ビジネスローンなどもセットで検討するようにしましょう。
(3)利用頻度が高いと手数料がキャッシュフローを圧迫
解説してきたように請求書買取サービスでは手数料を支払う必要があります。手数料の割合が低かったとしても数ヶ月後に貰えるはずだった金額が、当初よりも減ってしまうことには変わりはありません。
2〜3度の利用であれば大きな問題にはならないかもしれませんが、何度も繰り返し請求書買取サービスを利用すると手数料分で経営を圧迫してしまう可能性もあります。
ただし手数料分を上回る資金で投資計画が立てられるのであれば、大きな利益につなげることができるため手数料の問題は小さなものです。そのため資金運営は計画的に実施しましょう。
(4)悪徳なヤミ金業者も存在するため注意が必要
ファクタリング利用者は年々増加傾向にありますが、一方で悪徳なヤミ金業者が登場しているのも事実です。
個人事業主やフリーランスに限った話ではないですが、請求書買取サービスを利用する場合は、審査なしを謳っているヤミ金業者に注意するしましょう。
下記のようなケースに該当する場合は悪徳なヤミ金業者である可能性が高いため注意しましょう。詳細については審査なしのファクタリングは可能?審査の重要性・審査なしファクタリングはリスク大!の記事で解説しています。
- 償還請求権ありの契約になっている
- 3社間ファクタリングで債権譲渡通知を実施しない
- 家族や代表者に保証人を求めてくる
- 担保の要求をしてくる
- 売掛金の受け取りが銀行口座ではなく手渡し
- 契約書の控えや領収書が発行されない
- 手数料が相場よりも明らかに高い
ファクタリング会社の審査詳細については、ファクタリングの審査基準や落ちる理由・通過率を上げるコツ・ファクタリング審査に通らない理由は?の記事で解説しています。
請求書買取業社が1番恐れているのは売掛金が回収できず、貸し倒れとなることです。そのため未回収リスクを抑えるために必ず審査が行われます。仮に売掛先が倒産した場合でも、ファクタリング会社が責任を負うのがファクタリング契約です。
しかし審査なしでファクタリング利用ができるということは、本来ファクタリング会社が懸念すべき売掛金の未回収リスクを織り込んだ状態で契約を行います。そのため手数料が相場より明らかに高い・償還請求権ありで契約締結するといったことを行います。
償還請求権ありの契約を締結してしまうと売掛金が回収できなかった場合に、買戻しを請求ができるようになります。契約内容に債権の買戻しが含まれている場合は、融資に該当するため貸金業登録が必要となります。
しかし一般的な業者では貸金業登録を行なっていないため、こうした買い戻し契約は違法行為になります。ファクタリング契約とはあくまでも売掛債権の売買契約のため、融資契約ではありません。
審査なしの悪徳なヤミ金業者を利用してしまうと、家族や勤務先に必要以上の取り立てが行われたり、売掛先が仮に倒産したりした場合に金額を返済するといったことになります。
そのため一度審査に落ちたことがありスピーディーに資金調達をしたい気持ちはわかりますが、審査なしを謳っている業者の利用は避けるようにしましょう。ヤミ金業者については金融庁からも注意喚起が出されています。
個人事業主やフリーランスの請求書買取サービスでよくある質問
個人事業主やフリーランスで請求書買取サービスに必要な書類は何ですか?
- 個人事業主やフリーランスで請求書買取サービスに必要な書類は何ですか?
- 個人事業主やフリーランスで請求書買取サービスに必要な書類は下記のようなものが一般的です。
・請求書や納品書、契約書、注文書など売掛債権を確認できるもの
・取引の履歴を確認できる銀行口座の通帳のコピー(直近3カ月程度)
・取引先との基本契約書
・直近の確定申告書(2〜3期分)
・本人確認書類(運転免許証など顔写真付きのもの)
しかし中には請求書・通帳コピーで利用できる買取サービスもあるため、詳細については必要書類が少ないおすすめファクタリング会社の記事をご確認ください。
請求書買取サービスは違法なのですか?
- 請求書買取サービスは違法なのですか?
- 請求書買取サービスは違法ではありません。法的性質は民法555条にて「売掛債権の売買契約」として認められています。また過去の裁判例でも違法とはされていない・債権の流動化を国も推奨しているという観点からも違法性はありません。
違法ではない詳細については2社間ファクタリングは違法ではない理由を解説の部分で紹介しています。
個人事業主やフリーランス向けで審査なし請求書買取サービスはありますか?
- 個人事業主やフリーランス向けで審査なし請求書買取サービスはありますか?
- 個人事業主・法人を問わず審査なしの請求書買取サービスは存在しません。審査なしを謳っている請求書買取会社は、悪質なヤミ金業者である可能性が高いです。手数料が相場よりも明らかに高い・償還請求権ありの契約を締結するなど、リスクが大きいので利用は避けましょう。
審査なしファクタリングの危険性については審査なしファクタリングはリスク大!・審査なしのファクタリングは可能?審査の重要性の記事で解説しています。
個人事業主やフリーランス向けで請求書のみの請求書買取サービスはありますか?
- 個人事業主やフリーランス向けで請求書のみで契約できる請求書買取サービスはありますか?
- 請求書のみで利用できる請求書買取サービスはありません。最低でも請求書に加えて、通帳コピーの提出が必要です。QuQuMo(ククモ)は請求書+通帳コピーでファクタリング利用ができます。
個人事業主やフリーランス向けで通帳なしの請求書買取サービスはありますか?
- 個人事業主やフリーランス向けで通帳なしの請求書買取サービスはありますか?
- 個人事業主・法人企業を問わず通帳なしで利用できる請求書買取サービスはありません。売掛債権が存在するかを確認したり、売掛先の支払い能力・信用度を測るため、通帳の提出は必須となります。
詳細は個人通帳なしでファクタリング利用は可能?必要書類の少ない会社5選の記事で解説しています。
給与ファクタリングが可能な請求書買取サービスはありますか?
- 給与ファクタリングが可能な請求書買取サービスはありますか?
- 給料ファクタリングは貸金業に該当し、給料ファクタリングができる請求書買取サービスはありません。
仮にできる会社があったとしても悪徳業者の可能性が高いです。金融庁も注意喚起をしているため、利用は注意しましょう。
「給与ファクタリング」を業として行うことは、貸金業に該当します(貸金業を営む者は、財務局長又は都道府県知事の登録を受ける必要があります。登録を受けずに貸金業を営む者はヤミ金融業者です。)
引用:金融庁