法人設立後、事業を本格的にスタートさせるために欠かせないのが法人口座です。一方で、どこで法人口座を開設するのが自身の経営状態に合うのか不安な方も多いと思います。
本記事では、全国規模のネットワークを持つゆうちょ銀行で法人口座を開設するための手順や、複雑な必要書類、審査にかかる時間、そして審査落ちを防ぐためのポイントを詳しく解説します。
| サービス名 | 他行あて振込手数料 | 口座開設 | ネットバンキング | 月額利用料 | 開設必要書類 |
| GMOあおぞらネット銀行 | 130円 | 即日 | 無料 | 0円 | 本人確認書類/事業内容確認書類 |
| ラクスルバンク | 一律119円 | 最短即日 | 無料 | 0円 | 本人確認書類/事業内容確認書類 |
| フィンサーバンク | 21円~90円 | 最短15分 | 無料 | 0円 | 本人確認書類/履歴事項全部証明書/登記簿謄本 |
| 住信SBIネット銀行 | 130円~145円 | 翌日 | 無料 | 0円 | 本人確認書類 ※1つのみ |
| 三井住友銀行 Trunk | 145円 | 翌営業日 | Web21<ライト>が無料 | 0円 | 本人確認書類/事業内容確認書類 |
ゆうちょ銀行の法人口座|特徴とメリット
ゆうちょ銀行で法人口座を開設するにあたっては、他の一般的な金融機関とは異なる、ゆうちょ銀行ならではのルールを理解しておく必要があります。
預入限度額に関する独自のルール
最大のポイントは、ゆうちょ銀行独自の預入限度額が設定されている点です。通常貯金(通常貯蓄貯金を含む)および定期性貯金は、それぞれ一法人につき1,300万円までと上限が定められています。この一法人という括りは、本社・支店・営業所といった組織の別にかかわらず共通して適用されるため注意が必要です。
決済用の振替貯金口座と全国ネットワークの強み
預入限度額がある一方で、主に決済用として利用される振替貯金口座には預入限度額がありません。事業用資金の決済や大きな金額を動かす場合には、こちらを活用することになります。また、全国に郵便局の店舗やATMがある点は、出張先などでも利用しやすく事業を行う上で大きなメリットです。
ゆうちょBizダイレクトとは?

ゆうちょBizダイレクトは、パソコンからインターネットを経由して、各種照会・送金等のオンラインサービスや、総合振込・給与振込等の伝送サービスを利用できる法人向けのインターネットバンキングです。
お取引先との資金決済や、従業員への給与支払い、多くの方からの集金など、さまざまなビジネスシーンで活用できます。「振込手数料を抑えたい」「入出金明細をすぐに知りたい」といった法人の悩みを解決してくれます。
用途に合わせて選べる2つのプラン
事業の規模や用途に合わせて、「スタンダードプラン」と「エキスパートプラン」の2つから選択可能です。
| スタンダードプラン | 契約料金:5,500円 月額料金:1,100円 | 各種照会や送金といった基本的なオンラインサービスを利用できるプランです。 |
| エキスパートプラン | 契約料金:11,000円 月額料金:2,200円 | スタンダードプランの基本サービスに加え、総合振込や給与振込、自動払込みなど、大量送金・集金に便利な伝送サービスが利用できるプランです。 |
便利なオプション
ゆうちょBizダイレクトでは、法人の入出金事務を大幅に省力化できる多彩なサービスが用意されています。
- オンラインサービス(両プラン共通)
照会時点の残高や前月末残高などを確認できる残高照会や、登録口座の入出金情報を確認できる入出金明細照会が利用できます。また、即時送金や31日先までの予約送金(ゆうちょ銀行あて振替および他金融機関あて振込)も可能です。 - 伝送サービス(エキスパートプランのみ)
総合振込、給与振込、自動払込み、振替MT伝送サービス、振替データ通知サービス、受入明細通知サービスなどが利用できます。 - オプションサービス
登録口座への入金をメールで知らせる入金お知らせメール(月額550円)や、払込み等の翌日に通知票・払込書のイメージ画像をPDFで確認できる振替受払通知票Web照会サービス(無料)のほか、給与振込や自動払込みのデータ提出期限を延長できるオプション(月額2,200円)などもあります。
振込手数料
ゆうちょBizダイレクトを利用した各種送金は、手数料が低く抑えられているのも大きな特徴です。
| ゆうちょ銀行あて振替(電信振替) | 100円 |
| 他金融機関あて振込 | 165円 |
| 給与振込 | ゆうちょ銀行あては無料 ※他金融機関あては110円 |
| 総合振込 | ゆうちょ銀行あては年間件数に応じて39円〜66円 ※他金融機関あては165円 |
ゆうちょ銀行の法人口座|審査時間と開設までの日数
口座開設の申し込みから審査完了までには、ある程度のまとまった時間が必要です。口座が使えないと事業に支障が出るため、スケジュールに余裕を持つことが重要です。
貯金事務センターでの基本の審査期間
窓口で必要書類を提出して申し込みを行った後、ゆうちょ銀行の貯金事務センターにて審査が行われます。この審査には、通常1か月程度の期間を要します。国や地方公共団体等が開設する場合であっても、同様に1か月程度の期間が必要です。
繁忙期や休祝日の遅延リスク
特に注意したいのが時期による遅延です。例年3月から6月にかけては申し込みが集中し、審査に2か月程度かかる場合があります。また、ゴールデンウィークや年末年始などの休祝日を挟む場合も、審査に1か月超の期間を要することがあります。事業開始に間に合わせるためにも、申し込み集中期を避けるか、十分に余裕を持ったスケジュールで動くことがおすすめです。
ゆうちょ銀行の法人口座|審査落ちの原因
法人口座の開設審査は近年非常に厳しくなっています。スムーズな審査の通貨には事前の入念な準備と対策が欠かせません。
マネー・ローンダリング対策による厳格な審査
ゆうちょ銀行では、マネー・ローンダリングやテロ資金供与を防止するため、関連法令に基づいた厳格な審査を行っています。審査においては、法人の実質的支配者を特定するための株主名簿等の提出や、決算書類・契約書等を用いた詳細な事業実態の証明が必須となります。また、外国籍の代表者等の在留期間が残り3か月以内の場合は口座を開設できません。これらの規定された公的書類等が不足している場合、そもそも口座開設の申し込み自体を受け付けてもらえないという厳しい対応が取られています。
書類不備による受付不可
審査落ち以前に注意すべきは書類の不備です。ゆうちょ銀行では、規定の公的書類等が提出できない場合は、そもそも口座開設の申し込みを受け付けてもらえません。事前の書類確認が第一の関門となります。
審査落ちの可能性と対策
公式サイトには審査の結果として「ご希望にそえない場合がある(審査落ちとなる)」と明記されています。つまり、事業の実態を証明する資料や財務書類などを過不足なく準備し、事業の透明性をしっかりと示すことが最大の対策となります。
▼他社法人口座を比較する▼
| サービス名 | 他行あて振込手数料 | 口座開設 | ネットバンキング | 月額利用料 | 開設必要書類 |
| GMOあおぞらネット銀行 | 130円 | 即日 | 無料 | 0円 | 本人確認書類/事業内容確認書類 |
| ラクスルバンク | 一律119円 | 最短即日 | 無料 | 0円 | 本人確認書類/事業内容確認書類 |
| フィンサーバンク | 21円~90円 | 最短15分 | 無料 | 0円 | 本人確認書類/履歴事項全部証明書/登記簿謄本 |
| 住信SBIネット銀行 | 130円~145円 | 翌日 | 無料 | 0円 | 本人確認書類 ※1つのみ |
| 三井住友銀行 Trunk | 145円 | 翌営業日 | Web21<ライト>が無料 | 0円 | 本人確認書類/事業内容確認書類 |
ゆうちょ銀行の法人口座|必要書類
ゆうちょ銀行の法人口座開設では、法人の設立年数や状況、業種に応じて非常に細かく書類の提出が求められます。なお、提出した書類は窓口でコピーを取られます。
法人の基本書類と本人確認
- 法人の履歴事項全部証明書(原本)
発行日から6か月以内のものに限ります。支店や事業所名等で開設する場合は、組織図や公共料金の領収書など、その住所が確認できる書類も追加で必要です。 - 法人の印鑑証明書(原本)
こちらも発行日から6か月以内のものに限ります。 - 法人番号が確認できる書類
法人番号通知書などが必要です。 - ご来店者の公的な本人確認書類
窓口に行く方の運転免許証など、顔写真付きの証明書類が必要です。 - ご来店者と法人の関係を証する書類
窓口に行く方が正当な手続き者であることを証明するための委任状などが必要です。
実質的支配者と財務状況の確認書類
- 実質的支配者が確認できる書類
真の支配者を特定するため、氏名および住所が記載された株主名簿、法務局等が発行する実質的支配者リストの写し、出資者名簿、社員名簿などのいずれかが必要です。 - 財務状況が確認できる書類
原則として「貸借対照表」および「損益計算書」の両方が必要です。設立1年以下の法人や災害等で用意できない場合は、「合計残高試算表」と「事業計画書」の両方で代用します。
事業内容が分かる書類と許認可証
- 事業内容が分かる書類
事業実態を証明するため、会社案内、取扱商品のパンフレット、印刷したWebサイト(通販サイト含む)、取引先との契約書や請求書、発注書、納品書などが必要です。 - 許認可証の写しなど
建設業、飲食業、不動産業、古物営業、人材派遣業などの許認可・届出・登録等が必要な業種の場合は、それが完了していることを確認できる資料が必要です。
設立6か月以内の法人および外国籍の方の追加書類(該当者のみ)
- 設立後6か月以内の法人の追加書類
「所轄税務署あての法人設立届出書(控)」「所轄税務署あての青色申告承認申請書(控)」「主たる事務所の建物登記簿謄本(原本)」「主たる事務所の賃貸借契約書(原本)」のうち、いずれか1つを追加で提出します。 - 外国籍の代表者・実質的支配者の追加書類
該当する方の「在留カードの写し」が必要です。ただし、口座開設申込日から在留期間満了日が3か月以内に到来する場合は、口座開設ができません。
ゆうちょ銀行の法人口座|開設の流れ
事前の準備から口座開設までの具体的なステップは以下のようになります。当日にすぐ口座ができるわけではないので、余裕をもって申し込みましょう。
窓口での申し込み
まずは、自社の状況に合わせた必要書類と法人の印章を漏れなく準備し、窓口へ持参してお申し込みを行います。前述の通り、書類の不備があると受け付けてもらえないため、事前の入念なチェックが重要です。
貯金事務センターでの審査と結果連絡
申し込み後、窓口ではなく貯金事務センターにおいて口座開設にかかる審査が実施されます。審査完了後、後日改めて審査結果が連絡されるという流れになります。
会社概要
株式会社ゆうちょ銀行は、日本郵政、日本郵便、かんぽ生命などとともに日本郵政グループを構成する企業です。
全国のネットワークを活かした各種貯金や送金サービスをはじめ、キャッシュレス決済(ゆうちょPayやクレジットカード等)、資産運用(NISAや投資信託等)、ローン業務まで幅広い金融サービスを展開しています。万が一に備える預金保険制度の対象金融機関でもあり、法人としても安心して取引が可能です。
営業時間
総合振込、給与振込、自動払込みなど、法人・事業者向けの送金・決済サービスに関する問い合わせや相談は、利用者の事業所と同じ都道府県にあるゆうちょ銀行店舗の法人サービス部で相談可能です。
受付時間は平日9:00〜17:00となっており、土日祝日は休業日なので注意が必要です。

