ファクタリング審査に通らず早期の現金化や資金調達に苦戦している方もいるではないでしょうか。ファクタリングは入金前の請求書を買い取ってもらい、早期に現金化する方法ですが、審査が必須となっています。
今回はファクタリング審査に通らない理由や原因について解説しながら、審査に通過しやすくするコツについて解説していきます。
ファクタリング審査で重視される売掛債権とは何か
売掛債権(売掛金)とは商品やサービスの提供をした会社が、取引先や顧客から代金を受け取るための権利を指します。代金を受け取る権利であり、会計上は資産であるとみなされるため、これを売却することも可能です。
こうした売掛債権(入金前の請求書)を売却し資金調達・現金化を行う方法をファクタリングと呼びます。
また売掛債権は勘定科目で資産の部に区分されるため、手形を持っている場合は受取手形・持っていない場合は売掛金に分類されます。手形のように証書の発行はされないため、ツケ払いや仮取引と同様に信用がなければ成り立たないのが特徴です。
売掛債権は行使できる期間が定められており、期間内に代金支払いの請求を実施しないと、権利を行使することはできません。
売掛債権の有効期限は契約形態や役務提供といった債権の種類により変わってきますが、期限が近づいてきた際は支払い誓約書などの署名捺印により支払いが承認されることで、中断することも可能です。
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ファクタリング審査に通らない・落ちる理由|売掛金に原因がある7つのケース
上記で説明したようにファクタリングとは未入金の請求書である売掛債権を、入金前に売却して資金調達を行う方法です。
中には最短即日で現金化・入金といったスピードが早いファクタリング会社もありますが、審査は必ず通るわけではありません。次はファクタリング審査で通らない原因やよくあるケースについて解説していきます。
必要書類が少なく審査が緩いファクタリング会社はこちらの記事で紹介しています。
ファクタリングの審査基準や落ちる理由・通過率を上げるコツについてはこちらの記事で解説しています。
(1)存在が怪しい・信憑性にかける売掛金
ファクタリングの審査に通らない理由の1つとして考えられるのが、売掛金自体の信憑性が薄いという点です。架空請求の疑いがある請求書の場合は、ファクタリング会社の審査では通ることはないと考えましょう。
例えば売掛先と利用者が口裏合わせを行、い取引が発生してないにも関わらず、請求書を発行するといったケースが挙げられます。他にも休眠状態の会社を利用して、架空の売掛金をファクタリング会社に買い取ってもらおうとする詐欺・犯罪行為もあります。
ファクタリング会社は上記のような犯罪行為を警戒しているため、少しでも信憑性にかけると判断された売掛金は審査には取りません。当然ですが事業活動実態のないペーパーカンパニーの場合も審査には通らないため、注意しておきましょう。
(2)不良債権など回収できない可能性が高い売掛金
金融機関の貸出債権の中で企業の倒産や返済遅延によって、契約通りに元本や利息の支払いができなくなった貸出債権のことを不良債権と呼びます。不良債権は回収見込みがないため、財産的な価値がない売掛金と判断されます。
当然のことですが財産的な価値がなく回収見込みがないため、ファクタリング会社としては審査を通すことはありません。
上記のようにファクタリングでは売掛金がしっかりと回収できるかが、審査の際には重視されます。そのためファクタリング審査を出す際は、売掛先の経営状態も安定していることを前提に売掛債権を選ぶようにしましょう。
赤字が続いてる・事業譲渡計画が進行しているといった売掛先の場合は、売掛金の未回収リスクが非常に高いため、審査に通ることは難しいといえます。
(3)継続性の低い一時的な売掛金
また利用者と売掛先との間で継続的な取引が行われているか、取引実績が豊富かといった点も審査のポイントです。取引実績などを確認する理由としては、悪質な利用者が売掛先と口裏を合わせて架空の売掛金を作り、ファクタリング会社を騙して資金調達をするケースがあるためです。
架空債権はファクタリング会社にとっては大きな損害となるため、利用者と売掛先に取引実態があるかについて、通帳の履歴などから取引実態があるのかをチェックすることが多いです。
仮に売掛先と取引があったとしても一度しかない場合は、架空債権の可能性を疑われてしまい、ファクタリング審査に通過せず落ちてしまう可能性もあります。
そのためファクタリング審査を受ける場合には、売掛先との継続取引があることを証明できるように、通帳や請求書・発注書・納品書・契約書といったエビデンスとなる書類を準備しておくのがおすすめです。
(4)二重譲渡の疑いがある売掛金
また複数のファクタリング会社に申し込みを出すことは問題ありませんが、売掛金に二重譲渡の疑いある場合も審査には通りません。二重譲渡とは一つの売掛債権を複数のファクタリング会社で売却しようとすることです。
売掛債権の売却ができるは1社だけです。複数のファクタリング会社から資金調達を行うのは違法行為にあたるため、仮に審査通過になったとしても、売掛債権の回収時点で二重譲渡が発覚し刑事告訴となる可能性もあります。
(5)債権譲渡特約で禁止されている売掛金
譲渡禁止の特約が付与されている売掛債権も、ファクタリング審査で通過しない可能性が高いです。譲渡禁止特約とはそもそも売掛債権を第三者に売却することを禁止するための特約です。
譲渡禁止特約がついている売掛債権は、何か重要な理由があって譲渡禁止となっていることが多いため、取引先に特約解除を申し出ても解除は難しいです。
ただし3社間ファクタリングを利用する場合に、譲渡禁止特約を無効にしてくれる可能性もあるため、どうしても売却したい場合は3社間ファクタリング会社に相談してみましょう。
(6)法人ではなく個人事業主・フリーランスの売掛金
また一般的にファクタリングの場合は法人企業の売掛債権を売却することが多いです。そのため売掛先が個人事業主の場合は審査に通らないケースが多いです。
売掛先が法人なのか個人なのかは、信用度を決める際には非常に重要な指標となります。個人事業主の場合は法人企業と比較すると、事業規模が小さいためめ、売掛金を回収できないリスクが高くなるためです。
また個人間の売掛債権も買い取ってもらえないことが一般的です。ただしペイトナーファクタリングのようにフリーランスや個人業主に特化したファクタリング会社では、個人間の債権でも対応可能なファクタリング会社もあります。
(7)支払い期日の長すぎる売掛金
売掛債権の支払い期日が長い場合もファクタリング審査に落ちる可能性があります。支払い期日までに災害や経営悪化・不祥事といった不足の事態が発生すると、売掛金の回収ができなくなる可能性が高くなるためです。
ファクタリング会社からすると売却された売掛債権の支払い期日が長いほど、売掛金の未回収リスクが高くなります。支払い期日は長くても2ヶ月程度が理想です。
それ以上の支払い期日の売掛債権になると審査に落ちる可能性が高く、審査通過は難しいと考えた方が良いでしょう。
ファクタリング審査に通らない・落ちる理由|利用者に原因がある5つのケース
次はファクタリング審査に通らない理由が売掛金ではなく、人に理由がある場合の特徴について見ていきます。
(1)法人ではなく個人事業主やフリーランスである
利用者が個人事業主の場合はファクタリング審査に落ちやすくなってしまいます。理由としては法人企業と比較して、事業規模も小さく社会的な信用度も低いためです。
また契約時に二重譲渡を防止するために「債権譲渡登記」を求められるケースもあります。債権譲渡登記による譲渡人は法人に限定されるため、個人事業主の審査申し込みをそもそも断っているファクタリング会社もあります。
ただし個人事業主やフリーランス向けに特化したファクタリング会社もあるため、個人事業主でも審査が緩いファクタリング会社の記事を参考にしてみてください。
ペイトナーファクタリングでは個人事業主やフリーランスの利用も可能で、売掛先が個人であっても対応してくれます。またビートレーディングではオンライン完結型のファクタリングで、個人事業主の利用も可能です。加えて審査通過率は98%のため必要書類も少なく済みます。
(2)利用者の身元や仕事が信用されていない
前述でも触れたようにファクタリング会社は悪質な利用者から、詐欺行為などに騙されないように注意しています。売掛先や売掛債権が問題なしと判断されても、実際に取引が完了するまでは信用してはないのです。
ファクタリング会社は上記のような状況を警戒しているため、利用者の身元や仕事が怪しいと感じれば、審査には通りづらいくなります。例えば身分証が不確かなものである・過去に過失を行っている場合は審査は厳しくなります。
(3)3社間ファクタリングで売掛先から同意を得られていない
ファクタリングには2社間・3社間ファクタリングの2つの種類が存在ます。2社間ファクタリングの場合は売掛先からの同意が不要ですが、3社間ファクタリングでは売掛先からの同意が必要となります。
3社間ファクタリングでは売掛債権の支払い期日までに、売掛先がファクタリング会社に直接入金を行うため、利用者に対するリスクが発生しないのが特徴です。また3社間ファクタリングの方が手数料が安いのが一般的な傾向です。
3社間ファクタリングの方が審査は緩めな場合が多いですが、売掛先の同意が必要なため、同意が得られていない場合は審査に通ることができません。
(4)利用者のモラルが低く信用されていない
またファクタリング審査時に経営者のモラルが低いと判断されると、審査に通らない可能性がでてきます。例えば審査時の面談では、下記のような点をファクタリング会社は見ています。
- 横柄な態度ではないか
- 経営者に悪い噂がないか
- ギャンブル依存症ではないか
特に2社間ファクタリングの場合は利用者が売掛金の回収を行う必要があるため、回収後の資金を他の目的で流用されるリスクがあり、上記のようにギャンブル依存などの場合は審査に通りづらくなります。
(5)必要書類が揃っていない
ファクタリングの審査申し込みや契約を行う場合は、ファクタリング会社から求められている必要書類を提出する必要があります。しかし求められた書類が一定期間を経過しても準備できない場合は、審査に通らないといった結果になるでしょう。
一般的には下記のような書類がファクタリング時には提出を求められます。
- 身分証明書
- 売掛金の存在を証明する請求書・発注書・納品書など
- 取引履歴の確認できる銀行口座通帳
- 2~3期分の決算書(確定申告書)
またファクタリング会社によっては次のような書類提出を求められることもあります。
- 商業登記簿謄本
- 印鑑証明書
- 売掛先との基本契約書
- 納税関連の書類
ただしここで注意が必要なのは提出した書類の中に、疑わしいものがあった場合は、審査結果として通らないこともあります。あくまで審査に必要な提出書類であるため、提出したからといって必ず審査通過するわけではない点は注意しておきましょう。
ファクタリング審査落ちを避けて通過率を高める4つのコツ・条件
ファクタリング審査で通らない理由の次は、ファクタリング審査に通過しやすくするためのコツや条件について紹介していきます。これから審査を出す・一度落ちたことがあるという方は参考にしてください。
(1)信用度が高くファクタリング会社が買取やすい売掛債権を審査に出す
これまで紹介してきようにファクタリングの審査で最も重要なのは売掛先の信用度です。そのため十分に信用度があり、取引実績が長く、売掛債権金額も大きな売掛債権をファクタリングでは選ぶようにしましょう。
また金融機関や官公庁・上場企業などと取引実績があると「厳しい与信審査も通過した実績がある」という証明になるため、ファクタリング審査も通過しやすくなる傾向にあります。
ただし中小企業では上記のような企業とは取引がないといったこともあるでしょう。上記のような大手企業ではなくても、経営状態が安定している企業の売掛金であれば、審査には通りやすいです。
(2)売掛債権の存在が証明できる必要書類を揃える
本来は優良といえるはずの売掛債権でもさまざまな理由から、審査に通らないといったケースもありますが、理由の多くは資料不足が原因です。ファクタリング審査では売掛債権の存在を確実に証明できるように準備する必要があります。
そのためしっかりと売掛債権の存在が証明できるよう、複数の資料を準備しておくのが理想です。例えば請求書だけでなく、契約書・発注書・納品書なども揃えて不備をなくすことで、審査通過率は高めることができます。
また過去の売掛金の入金履歴を確認できるよう、取引企業との通帳も用意しておくと良いでしょう。
(3)審査時は丁寧な受け答えを行う
ファクタリング審査は対人の面談となります。そのため上述で触れましたが、人柄や態度も見られています。丁寧な受け答えを意識するのはもちろん、服装や真摯な対応を心がけるようにしましょう。
加えてファクタリング会社との連絡もスピーディーに対応できる人の方が、安心して契約できる人であると判断されやすくなるでしょう。
ファクタリングは目に見えない売掛債権という資産を取り扱う契約です。利用者が信頼できるかどうかを相手は重視します。ファクタリングの面談時には、虚偽や取り繕った発言はせず誠実な対応を意識しましょう。
(4)審査通過率の高いファクタリング会社に依頼を出す
また審査通過率が高いとホームページで公表しているファクタリング会社を利用するのも1つの方法です。例えばビートレーディングでは審査通過率が98%と公式HPに記載があり、即日入金・個人事業主でも利用ができます。
またファクタリング会社にはいくつかの種類があり、大きく下記の3つに分類できます。
- 銀行系:大手金融機関が親会社のファクタリング会社
- ノンバンク系:預金業務を行っていないクレジット会社・信販会社が行うファクタリング
- 独立系:銀行や大手企業の関連会社ではなく、ファクタリングを専門に取り扱っている会社
独立系のファクタリング会社はファクタリング取引に特化した業務を行っているため、銀行系のファクタリング会社よりも比較的審査が緩く申し込みも簡単であることが多いです。
- 申し込み方法が比較的簡単である
- 審査がゆるめで通過率が高い
- 中小企業や個人事業主・フリーランスも対応している
- 入金スピードが最短当日や翌日など早い
売掛債権の数が多くない方や中小企業・フリーランス・個人事業主の方で早期に現金化をしたい方は、下記のような独立系のファクタリング会社がおすすめです。また2社間取引が多いため、取引先にも通知せずに現金化ができます。
フリーランスや個人事業主におすすめのファクタリング会社はこちらの記事で紹介しています。
審査なしのファクタリングは危険!おすすめ出来ない理由
健全な運営を行っているファクタリング会社を利用する場合は、必ず審査を通過する必要があります。そのため審査なしと謳っている会社の利用は、控えるのが安全です。
次はファクタリング審査が必要な理由と、審査なしのファクタリング会社を利用すべきではない理由について解説していきます。
健全な運営を行うファクタリング会社では審査は必須である
基本的にファクタリング会社を利用する場合は、必ず審査を通過する必要があります。ファクタリング審査が必須となっている理由は下記の通りです。
- 売掛金の未回収リスクを回避する
- 詐欺などのトラブルリスクを回避する
- 手数料の水準を決めるため
上記のようにファクタリング利用をする場合は、 ファクタリング会社としてもリスクを回避したり、手数料を決めるために審査は必須です。そのため審査なしと謳っているファクタリング会社は、安全な会社とは言いづらいです。
ではなぜ審査なしのファクタリング会社が危険なのでしょうか。次は具体的にどのような観点で危険性があるのかを解説していきます。
債権の買戻しを請求される可能性がある
一般的なファクタリング会社の場合は、償還請求権のないファクタリング契約を結ぶのが普通です。償還請求権とは債務の責任範囲を限定せず、金銭債権などを全額請求できる権利のことです。
そのため通常のファクタリング会社では売掛先が仮に倒産しても、利用者が責任を負うことはありません。
しかし知らない間に償還請求権ありの契約を締結してしまい、売掛金が回収できなかった場合に、買戻しを請求される可能性があります。
契約内容に債権の買戻しが含まれている場合は、融資に該当するためそもそもファクタリング契約ではないのです。
融資契約を結ばされる危険性
また審査なしのファクタリング契約をすると、融資契約を締結したことになるリスクも高くなります。一般的なファクタリングは借入に該当しないため、担保や保証人は不要です。
しかし審査なしの場合は担保や保証人を求められたり、保証金や一時金を請求され融資契約を締結したことにされます。
貸金業に登録を行っていない業者が金銭を貸し出すことは法律違反のため、ヤミ金業者が関わっている可能性が高く、非常に危険であるといえます。
ファクタリング審査に通らない・落ちる理由のよくある質問
ファクタリングの審査通過率はどれくらいですか?
- ファクタリングの審査通過率はどれくらいですか?
- ファクタリングの一般的な通過率は70%前後と言われています。金融機関の融資審査は50〜60%と言われているため融資よりは高いですが、高いというわけではありません。
審査なしのファクタリング会社はありますか?
- 審査なしのファクタリング会社はありますか?
- 審査なしで利用できる健全なファクタリング会社はありません。基本的にファクタリングでは審査が必須となります。審査なしを謳っているファクタリング会社は、悪徳業者の可能性が高いため注意が必要です。
詳細はこちらの記事で解説しています(審査なしのファクタリング会社がおすすめ出来ない理由)。
信用情報がブラックでもファクタリングは利用できますか?
- 信用情報がブラックでもファクタリングは利用できますか?
- ファクタリングの場合は信用情報ブラックでも資金調達として利用することは可能です。一般的にローン返済の延滞や債務整理を行っていると、信用情報機関に登録されるため金融機関の利用はできません。
しかしファクタリングは借入ではなく、債権譲渡のため信用情報とは関係なく利用が出来ます。
ファクタリングは個人事業主やフリーランスでも利用できますか?
- ファクタリングは個人事業主やフリーランスでも利用できますか?
- 個人事業主やフリーランス向けにファクタリングを提供している会社もあります。詳細はこちらの記事で解説していますが、ペイトナーファクタリングやPayToday(ペイトゥデイ)・labol(ラボル)・ビートレーディングなどは個人事業主でも対応しています。
ただし売掛先が個人である場合は買取対象にならないケースが多いです。ペイトナーファクタリングは個人の売掛金でも対応しています。