ファクタリングで請求書を偽造した場合はどうなるの?と考える方もいるかもしれませんが、これはれっきとした犯罪行為に該当します。
請求書を偽造してファクタリングを行う目的は、金銭をだまし取る行為で詐欺罪となります。今回はどのような行為が偽造行為になるのかを解説していきます。
ファクタリングにおける請求書偽造とは?
ファクタリングにおける請求書偽造は、実際には存在しない売掛債権を作成したり、請求書の内容を改ざんして不正に資金を得る行為を指します。
このような行為は法律に違反し、詐欺罪や偽造罪として厳しく罰せられるため、絶対に行ってはいけません。
存在しない架空債権を偽造して金銭をだまし取る行為
架空債権を偽造する行為とは、取引先と契約が存在しないにもかかわらず、あたかも売掛債権があるかのように請求書を作成し、ファクタリング会社を騙して資金を調達する行為です。
このような場合はファクタリング会社は虚偽の情報に基づいて資金を提供することになり、債権の存在が後から確認された際には、詐欺罪に問われる可能性が非常に高くなります。
架空債権・請求書の偽造は法律で禁じられており、刑事罰が科される重い犯罪行為です。
金額の水増しも請求書偽造になる
請求書偽造には架空債権を作る行為だけでなく、取引の金額を不当に増額して請求する行為も含まれます。たとえば、実際の売掛金が100万円であるにもかかわらず、200万円の請求書を作成してファクタリング会社に提出する行為です。
このような場合も不正行為に該当し、詐欺罪に問われる可能性があります。また取引先が事実と異なる請求を知った場合、信用を失うだけでなく、民事上の損害賠償請求を受ける可能性もあります。
請求書の偽造行為は法的な問題だけでなく、ビジネスの信用を著しく損なう行為です。ファクタリングを利用する際は、必ず正確な情報を提供し、適切な方法で資金調達を行うことが重要です。
ファクタリングで請求書偽造は詐欺罪・犯罪行為
ファクタリングを利用する際に請求書を偽造する行為は、法律上の詐欺罪として扱われる重大な犯罪行為です。
このような行為はファクタリング会社や取引先との信頼関係を損なうだけでなく、刑事罰を受ける可能性が高く、絶対に避けなければなりません。
架空請求書は詐欺罪として罪に問われる
ファクタリングにおける架空請求書の作成は、詐欺罪の典型的な例です。詐欺罪とは他人を騙して金銭や財産的な利益を得る行為を指します。
具体的には存在しない債権を偽ってファクタリング会社から資金を受け取る行為が該当します。
ファクタリング会社が被害者となり、不正に得た資金は返還を求められるだけでなく、刑事罰として懲役刑や罰金が科される可能性があります。
特に悪意を持って偽造を行った場合は、量刑が重くなる傾向があります。
請求書偽造は偽造罪ではなく詐欺罪になる
請求書を偽造する行為は一見すると「偽造罪」に該当しそうですが、ファクタリングの場合は「詐欺罪」に問われることが一般的です。
これは偽造された請求書を利用して金銭的な利益を得ることが目的であり、結果として他者に財産的損害を与えるためです。
詐欺罪は刑法246条に基づき、10年以下の懲役が科される可能性があり、さらに損害賠償を求められるケースもあります。
請求書の偽造行為は一時的な資金確保を目的としたものであっても、社会的信用を著しく損なう行為であり、長期的には事業の存続を危うくする結果を招きます。
ファクタリングは正しい情報を提供して利用することが、事業を健全に成長させるための基本です。
ファクタリングの主な必要書類
ファクタリング契約を結ぶ際には、いくつかの必要書類を準備することが求められます。これらの書類は、ファクタリング会社が売掛債権の存在や正当性を確認し、審査を行うために必要です。
請求書
請求書は売掛債権の存在を証明する最も重要な書類です。ファクタリングは売掛債権を売却して資金調達を行う仕組みであるため、請求書の内容が正確であることが必須です。
この書類をもとに売掛先の支払い予定日や金額を確認します。
請求書がなければ、売掛債権の存在を証明できないため、ファクタリング会社は審査を進めることができません。また記載内容に不備があると契約自体が成立しない可能性があります。
通帳コピー
通帳コピーは売掛先との取引履歴や過去の入金実績を確認するために必要です。通常は、直近3〜6か月分の通帳コピーが求められることが多いです。
売掛先が信頼できる企業かどうか、また、安定した支払い実績があるかを確認するために使用されます。この情報は手数料率の決定にも影響します。
本人確認書類
運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなどの本人確認書類が必要です。
ファクタリング会社が申込み者の身元を確認し、契約の正当性を確保するためです。不正取引を防ぐ目的もあります。
取引先との基本契約書
売掛先との取引関係を証明するために、基本契約書が求められる場合があります。この書類には、取引条件や契約期間などが記載されています。
そのため基本契約書があるかどうかで、請求書の信憑性を確認する目的もあります。
印鑑証明書
印鑑証明書は、契約書類に使用する印鑑が実際のものであることを証明するための書類です。
法人契約では代表者の実印が使用されることが多く、その正当性を確認するために印鑑証明書が必要です。これにより、契約の信頼性が高まります。
登記簿謄本
法人の場合は登記簿謄本が必要です。これは会社の基本情報(所在地、代表者名、設立年月日など)を確認するための書類です。
契約を進める上で会社の法的な実態や基本情報を確認し、公的書類を提出することで、信頼性を判断する材料となります。
決算書・確定申告書
法人の場合は決算書、個人事業主の場合は確定申告書が必要です。これらは事業の財務状況を示す重要な資料です。
ファクタリング会社が申込み企業の信用力を確認する際に使用します。特に事業の安定性や売上状況を確認するための資料となります。
ファクタリングで犯罪行為になるもの
ファクタリングは正しい利用が前提の資金調達方法ですが、不正な行為を伴うと犯罪とみなされ、厳しい法的責任を負うことになります。
請求書の偽造
請求書を偽造する行為は、存在しない取引内容を作り出し、架空の売掛債権を提示して資金を得る行為です。例えば、実際には取引のない会社名や取引金額を記載してファクタリング会社を欺くことは、詐欺罪に該当します。
このような行為は厳しく取り締まられており、発覚すれば刑事罰を受ける可能性があります。
売掛金の二重譲渡
売掛金を複数のファクタリング会社に譲渡し、二重に資金を調達する行為です。
一つの売掛債権を異なる会社に同時に売却することで、短期間で多額の資金を得ようとする不正行為は、契約違反であると同時に詐欺罪として扱われることがあります。
また二重譲渡はバレないと考える方もいますが、契約時点でバレなかったとしても支払いが遅れるといった場合に、ファクタリングに知られてしまいます。
二重譲渡契約も金銭をだまし取る行為なので、犯罪に該当し罪に問われることになります。
決算書の粉飾
決算書を改ざんし、利益や売上を実際よりも多く見せかける行為です。例えば売上の水増しや経費の隠蔽など、審査を通過するために数字を操作することは粉飾決算と呼ばれ、不正行為に該当します。
こうした行為はファクタリング契約だけでなく、税務調査や銀行との取引にも影響を与えます。
回収した売掛金の流用
譲渡した売掛金が取引先から支払われた際、ファクタリング会社への返済に充てずに、他の用途に使用する行為です。
例えば売掛金を私的な支払いに流用することは契約違反であり、民事訴訟を提起される可能性があります。
基本的に契約書に支払い期日が記載されているため、売掛金の回収ができたらすぐに入金するようにしましょう。
契約書類の偽造
ファクタリング契約に必要な書類を偽造する行為です。売掛債権譲渡契約書や申込書の内容を改ざんし、虚偽の情報を提供することで契約を結ぼうとする行為は、違法行為として罰せられます。
本人確認書類の偽造
運転免許証やパスポートなどの本人確認書類を改ざんする、または他人の書類を使って契約を進める行為です。こうした行為は詐欺罪や偽造罪に該当し、重い刑罰が科されることがあります。
通帳の書き換え・他人名義の通帳利用
通帳の記録を改ざんしたり、他人名義の通帳を使って契約を進める行為です。例えば取引履歴があるように見せかけるために取引内容を編集することや、別人の口座を使用することは不正行為として刑事告発される可能性があります。
ファクタリング審査時の項目
ファクタリングを利用する際には、ファクタリング会社による審査が行われます。この審査では資金調達のリスクを軽減するため、売掛先や申込み企業の情報を総合的に評価します。
売掛先の信用力・経営状態
ファクタリング会社は資金を提供する上で最も重要な要素として売掛先の信用力を確認します。売掛先が健全な経営状態であるか、過去に支払い遅延や倒産のリスクがなかったかをチェックします。
売掛先の信用力が高ければ審査通過が容易になり、手数料の条件も良くなる可能性があります。具体的には、売掛先の財務状況や取引履歴、企業の評判が調査されます。
経営状態が不安定・赤字決算の場合は売掛金の未回収リスクが高くなるため、審査落ちの可能性が高くなります。逆に上場企業・大手企業・公共団体の場合は、倒産するリスクが極めて低くなります。そのため審査通過率は高くなるでしょう。
売掛金の信憑性
審査では申込み企業が提示する売掛金が実際に存在し、正確なものであるかも重要なポイントです。請求書の内容が実際の取引を反映しているか、売掛金の入金期日や金額が正確であるかを確認します。
売掛金に虚偽や過大な請求がある場合、審査は通過できません。こうした不正を確認するためにも、通帳コピーや基本契約書で請求書の実態があるか、架空債権ではないかをチェックしています。
通常は通帳コピーだけで審査通過となることが多いですが、請求書の信憑性が薄いと判断されれば、追加書類の提出を求められるケースもあります。
申込み企業の信用力
売掛先の評価が中心ですが、申込み企業自体の信用力も審査の対象となります。申込み企業が過去に大きな負債や財務上の問題を抱えていないか、信用情報に傷がないかが調査されます。
加えて利用者にギャンブル癖がないかと言った部分や、面談の態度も重視されます。これは売掛金の回収後に使い込みをされないかを見るためです。
基本的に企業の運営歴が長い場合や安定した取引実績がある場合は、審査通過の可能性が高くなります。ただし、赤字決算や債務超過であっても、売掛先の信用力が高ければ利用可能な場合もあります。