ファクタリングの追加利用は可能!メリットや注意点を解説
RBF(レベニューベースドファイナンス)の2つの方式
RBF(レベニュー・ベースド・ファイナンス)や将来債権ファクタリングは、企業の将来の売上や収益に基づいて資金調達を行う方法です。
これらの方式では、売上の状況に応じた柔軟な返済が可能であり、企業の資金繰りを安定させるために非常に有効な手段です。まずはRBFや将来債権ファクタリングで一般的に採用されている2つの方式、固定型と変動型について解説します。
固定型:手数料を毎月一定額で支払う
固定型RBFは手数料を毎月一定額で支払う方式です。この方式では、事業主は毎月決まった金額を支払うことになります。
例えば事業の売上に関わらず、一定額の手数料が毎月発生するため、支払い額が予測可能で、安定した返済計画を立てやすくなります。
固定型のメリットは返済額が安定している点です。特に売上の変動が少ない企業や安定した収益が見込まれる事業にとっては、返済が計画的に行えるため、資金繰りが楽になります。
また毎月一定額を支払うため、急な支払い負担が避けられ、予算を組みやすくなる点が非常に有利です。
変動型:売上に応じて支払い額が変動
変動型RBFは売上に応じて支払い額が変動する方式です。この方式では企業の売上が増えると支払い額も増え、売上が減少すると支払い額も減少するため、企業のキャッシュフローに合わせて柔軟に返済を行える点が特徴です。
変動型の最大のメリットは売上が低い月や不安定な期間には、支払い額が少なくなるため返済負担を軽減できることです。
これにより季節的な売上の変動や予期しない収益の減少に対応しやすくなります。特に売上が不安定な業種や、急激に売上が増減する可能性がある企業にとっては非常に有利な選択肢となります。
ただし売上が高い時期には支払い額が増えるため、返済額が増えることに備えてしっかりとした計画を立てることが重要です。
RBF(レベニューベースドファイナンス)2つの種類
RBF(レベニュー・ベースド・ファイナンス)および将来債権ファクタリングは、企業の将来の収益を基に資金調達を行う方法で、特に売上や収益が安定している企業にとって有用です。
これらの方法は従来の融資とは異なり、将来の売上や債権を活用して迅速に資金調達を行うため、特にサブスクリプション型ビジネスや決済データに基づいた資金調達に便利です。
SaaS・D2Cなどサブスクリプション向けRBF・将来債権買取
SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)やD2C(Direct to Consumer)などのサブスクリプションビジネスモデルに特化したRBF・将来債権買取は、定期的に発生する収益を基に資金調達を行う方法です。
サブスクリプションモデルのビジネスは、月額料金や定期的な支払いが安定しているため、将来の売上を基にした資金調達がしやすく、将来の収益を早期に現金化できる点が大きな特徴です。
これにより事業拡大や新たなサービス開発に必要な資金を短期間で調達することができ、特に収益が安定している企業にとっては、返済負担が予測しやすいため非常に有利な資金調達方法となります。
またサブスクリプション型のビジネスモデルは、安定したキャッシュフローを持つため、ファクタリング業者はリスクを低く見積もり、融資が通りやすくなります。
決済データ元に提示される店舗向け資金調達サービス
決済データ元に基づく店舗向け資金調達サービスは、特にオンラインショップや実店舗向けの資金調達方法です。これらのサービスでは、企業の決済データ(売上データや取引履歴)を基に融資額や条件が提示されます。
売上データに基づいて融資額が決まるため、特に取引履歴が明確であれば即座に融資を受けることが可能です。
例えばSquare資金調達やPayPay資金調達など、決済データを基にした将来債権の買取サービスが提供されています。
これにより店舗は売掛金の回収を待つことなく、迅速に資金を調達できるため、キャッシュフローが改善され、ビジネス運営がスムーズに進みます。
この方法はオンラインショップや実店舗での資金繰りに役立つ非常に効率的な方法です。
RBF(レベニューベースドファイナンス)のメリット
RBF(レベニュー・ベースド・ファイナンス)や将来債権ファクタリングは、特に急な資金調達が必要な企業にとって非常に便利な方法です。
これらの資金調達手段は従来の銀行融資やデッドファイナンスと比べて多くのメリットがあり、企業にとって非常に有益です。次はRBFと将来債権ファクタリングのメリットを詳しく解説します。
株式の希薄化を防ぎ資金調達できる
RBFや将来債権ファクタリングを利用することで、株式の希薄化を防ぎながら資金調達が可能です。従来の資金調達手段として株式を発行する場合、新たな株主が出現し、既存の株主の持ち株比率が下がる可能性があります。
しかしRBFやファクタリングでは、企業の売上や将来の債権を活用して融資を受けるため、株式を発行することなく資金を調達できる点が魅力です。
これにより経営権の希薄化を避けつつ、必要な資金を迅速に調達できるため、株主の利益を守りながら事業の成長を支えることができます。
負債にならず資金調達が可能
RBFや将来債権ファクタリングは融資とは異なり負債にはなりません。
融資では借入金として負債が企業のバランスシートに計上されますが、ファクタリングやRBFは売掛金の売却や将来の売上に基づいた資金調達のため、負債として計上されません。
そのため企業の負債比率を高めずに、必要な資金を確保できる点が大きなメリットです。
負債を増やすことなく資金を調達できるため、資本構成を健全に保ちつつ事業の運転資金や設備投資に充てることが可能です。
保証人や担保が不要
RBFや将来債権ファクタリングは保証人や担保が不要です。これにより事業主は自社の資産や個人の信用をリスクにさらすことなく、資金を調達することができます。
銀行融資の場合は通常は担保や保証人を提供しなければならないことが多いですが、RBFやファクタリングでは売掛金や収益に基づいて審査が行われるため、担保や保証人を提供する必要がありません。
そのため資産が少ない企業や個人事業主でも、手軽に融資を受けることができるという利点があります。
数千万円から億単位で資金調達できる
RBFや将来債権ファクタリングを利用すれば、数千万円から億単位で資金調達が可能です。特に売掛金が大きい企業や安定した収益が見込まれる事業では、融資額が数千万円を超えることがあります。
これにより大規模な設備投資や事業拡大、プロジェクトの資金調達が可能となります。
ファクタリング業者やRBFを提供する金融機関は、企業の売掛金や将来の収益に基づいて融資を行うため、資金調達の規模に合わせて柔軟に対応しています。
そのため規模の大きな資金が必要な企業にとっても、必要な額を確保できる手段となります。
店舗向け資金調達サービスは1万円から可能
店舗向けの資金調達サービスは1万円から利用可能です。特にオンラインショップや小規模店舗向けに提供されているサービスでは、少額の売掛金を基にしたファクタリングが簡単に利用できます。
これにより資金繰りが厳しい場合でも、少額の資金を迅速に調達することが可能となります。
PayPay資金調達やSquare資金調達など将来債権買取サービスを利用すれば、1万円からでも資金調達ができ、店舗運営の資金を短期間で確保できます。
特に季節的な売上の変動が大きい業種にとっては、非常に便利な資金調達手段となります。
銀行融資・デッドファイナンスより短期で資金調達
RBFや将来債権ファクタリングは、銀行融資やデッドファイナンスよりも短期間で資金調達が可能です。銀行融資は審査が厳しく、手続きが時間を要することが多いため、急な資金調達には適さないことがあります。
一方でRBFやファクタリングは審査を受けるための手続きがシンプルで、即日融資が可能な場合も多いため、短期間で資金を調達できます。
これにより急な支払いが発生した場合や、キャッシュフローに問題が生じた場合でも、迅速に資金調達を行うことができ、事業運営をスムーズに進めることができます。
RBF(レベニューベースドファイナンス)の選び方
RBF(レベニュー・ベースド・ファイナンス)や将来債権ファクタリングを利用して資金調達を行う際、いくつかのポイントを押さえることで、最適な選択ができます。
特にIT企業や店舗系の会社など、業種に合わせたファクタリング業者の選び方が重要です。次はRBF・将来債権ファクタリングを選ぶ際のポイントについて解説します。
SaaS・D2CなどIT企業は手数料を確認する
SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)やD2C(Direct to Consumer)などのIT企業は、サブスクリプション型ビジネスが多いため、安定した収益が見込める場合が多いです。
そのためRBFや将来債権ファクタリングを利用する際には、手数料の設定が重要なポイントとなります。
特にSaaSやD2Cモデルの企業は月額収益が安定しているため、ファクタリング業者はその収益に基づいて資金を提供します。
しかし手数料は業者ごとに異なるため、契約前に手数料がどのように設定されているかを確認することが重要です。手数料が高すぎると長期的に見て返済負担が増える可能性があるため、適正な手数料を提供している業者を選ぶことが大切です。
店舗系の会社は返済期間を柔軟に指定できるか
店舗系の会社(飲食店、小売店など)は売上が季節や需要により変動するため、資金調達の際に返済期間を柔軟に指定できるかどうかが重要なポイントとなります。
特に季節変動や繁忙期による売上の変動がある場合、返済期間を調整できることが大きなメリットとなります。
返済期間が柔軟に設定できる業者を選ぶことで、売上が安定しない期間でも、無理なく返済を行うことができます。
例えば繁忙期には返済額を増やし、閑散期には減らすといった柔軟な返済計画を立てられる場合、事業運営がスムーズに進みます。
資金調達までの時間はどれくらいかかるか
ファクタリング業者を選ぶ際は資金調達までの時間がどれくらいかかるかは、非常に重要です。
最速・最短で即日融資を提供する業者もあれば、数日を要する業者もあるため、どれくらい迅速に資金が必要かを確認することが大切です。
特に急な支払いが発生した場合やキャッシュフローが一時的に厳しくなった場合、即日で資金を調達できることが非常に重要です。
多くのファクタリング業者は売掛金の確認と審査を数時間内に完了し、即日融資が可能ですが、業者によっては少し時間がかかる場合もあります。
即日融資が可能で、融資までの時間が短い業者を選ぶことで、急な資金需要に迅速に対応できます。
RBF(レベニューベースドファイナンス)の注意点・デメリット
RBF(レベニュー・ベースド・ファイナンス)および将来債権ファクタリングは、迅速な資金調達が可能な手段ですが、利用する際にはいくつかの注意点やデメリットもあります。
これらの方法を利用する前に、以下のポイントを理解しておくことが重要です。
利用には一定の売上規模が必要
RBFや将来債権ファクタリングを利用するためには、一定の売上規模が必要です。特に安定した収益を見込める企業に向いています。
売掛金や月次売上(MRR)などが基盤となるため、事業規模が小さい企業や収益が不安定な企業は、十分な融資を受けられない可能性があります。
これらの資金調達方法は一定以上の売上や収益が安定している企業に適しており、低い売上では資金調達額が限られることがあるため、事業の成長に合わせて利用することが推奨されます。
銀行融資の金利よりは高めのコストになる
RBFや将来債権ファクタリングは、銀行融資に比べて金利や手数料が高めに設定されることが多いです。特にノンバンク系やファクタリング業者を利用する場合、金利や手数料が高く設定されているため、コストが増加する可能性があります。
特に即日融資や審査の柔軟性を優先する場合は、金利が高くなることが一般的です。
そのためこれらの資金調達手段を利用する場合は、長期的な返済計画を立て、金利負担をしっかり管理することが重要です。急な資金調達が必要でも、返済負担を軽減するために計画的に利用することを心掛けましょう。
大規模な調達では事業計画書が必要になる
大規模な資金調達を行う場合は事業計画書の提出が求められることがあります。
RBFや将来債権ファクタリングは、売掛金や月次売上を基に融資を提供する場合が多いですが、大きな調達額が必要な場合には、詳細な事業計画書や収益予測を提出することが求められることがあります。
これによりファクタリング会社は企業の今後の成長性を確認し、融資金額を決定します。
そのため急な資金調達が必要な場合でも、事業計画をしっかりと整え、収益性の見込みを示すことが重要です。特に将来的に大きな資金が必要な場合、事業計画書は審査を通すための大きな要素となります。
計画的に利用しなければ経営が悪化する
RBFや将来債権ファクタリングを計画的に利用しないと、返済負担が経営に悪影響を与える可能性があります。
特に売掛金の現金化を短期間で繰り返すと、長期的に資金繰りが不安定になり、過剰な借入れが企業の経営を圧迫するリスクがあります。
短期的には助かる資金調達手段でも長期的には返済負担が増加し、経営に悪影響を与えることがあるため、慎重に計画を立てて利用することが大切です。
資金繰りが厳しい場合でも計画的に利用し、必要な資金額を見極めることが重要です。無理に資金を調達しすぎると、返済能力を超える負担がかかり、事業運営に支障をきたす恐れがあります。
MRR(月次売上)が低いと調達額が小さくなる
月次売上(MRR)が低い場合は調達できる資金額が少なくなるという点がデメリットです。RBFや将来債権ファクタリングは、将来の収益に基づいて融資額が決まるため、売上が安定していないと融資額が限られます。
特に月次売上が低い企業では調達可能な資金額が限られ、事業運営に必要な金額を十分に調達できないことがあります。
そのため安定した収益を上げるための対策を講じ、売上の改善を図ることが重要です。安定した売上を確保することで、より多くの資金を調達し、事業を拡大するための資金を確保することが可能になります。
支払い期限が10年以上の場合は債権譲渡登記が必要
支払い期限が10年以上の場合は債権譲渡登記が必要となることがあります。これは売掛金の譲渡に関する手続きとして、売掛金の期限が長期に渡る場合、法的手続きが複雑になり登記が求められる場合があるためです。
特に長期の売掛金のファクタリングを行う場合、登記手続きが必要となるため、即日融資が難しくなる可能性があります。
そのため売掛金の期限が長期である場合は、ファクタリング会社と事前に登記手続きに関する確認を行い、必要な手続きを整えることが重要です。
短期の売掛金であれば即日融資が可能ですが、長期の売掛金に関しては、手続きに時間がかかることを考慮しておくことが必要です。